文庫レーベル別思い出の一冊(集英社文庫編):ジャン=フィリップ・トゥーサン『浴室』


トゥーサンの『浴室』を思い出の一冊といってあげたけれど、実は、はじめて読んだのがいつだったのかも、この本を手に取ったきっかけが何だったのかも、ぜんぜん覚えていない。

もっといえば、内容だってよく覚えていないのだけれど。

ただ、読んだ当時、けっこう気に入ったのだと思う。『浴室』のあと、『ムッシュー』、『カメラ』、『ためらい』、『テレビジョン』と、すべて文庫に入ってからだけれど手に入れて読んだし、『浴室』と『ムッシュー』については映画も観た。

『カメラ』もトゥーサン自身が監督をして映画になっているということは知っていて、漠然と観たいなぁと思い続けているけれど、未だに観られていない。(トゥーサンがその次に撮った『アイスリンク』は観た。面白かった。)

集英社は『テレビジョン』までは、単行本を出してしばらくしたら、集英社文庫に入れてくれていたのだけれど、その後はぱったり入れてくれなくなった。

さらに。

最近(といっても二年以上前)、かなり久しぶりにトゥーサンの新作の単行本が出たと思ったら、なんと集英社からじゃなくなっていた。講談社からだった。

『愛しあう』や『ためらい』の文庫化はやっぱり期待できないんだろうか。ブンコスキーとしては残念。

ちなみに写真の『浴室』と『カメラ』の映画パンフレットは駒鳥文庫さんで手に入れました。

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今週のお知らせ:1月16日(月)~22日(日)

1月14日(土)から、ツイン21古本フェアが始まってます。ツイン21古本フェアは21日(土)まで。

僕は、初日に大阪市内の方に出る用事があったので、その帰りに寄ってレイモン・クノー『文体練習』ほか、6冊ばかし買いました。

今週は他に、大阪では大阪古書会館のたにまち月いち古書即売会が、兵庫ではさんちか古書大即売会が始まります。

たにまち月いち古書即売会は、1月20日(金)から22日(日)まで。大阪古書会館にて。

わたくし寸心堂は、こちらに参加してます。

去年も一昨年も、新年最初のたにまち月いちは、阪神歳末古書ノ市から戻ってきた荷物でふわふわっとやっていた気がするけれど、今年はけっこうちゃんと、新しい本を用意してます。少なく見積もっても段ボール10杯分は、すでに用意してあります。あと1日か2日の追い込みで、もうちょっと頑張ります。

それでも足りない分は、阪神帰りの荷物で埋めることにはなりますが。

レジ当番は多分土曜日です。初日もお昼くらいまで居ると思います。日曜は、京都の文フリに行きたいなぁと思ってますが、これは行けるかどうか。

というわけで、たにまち月いち古書即売会、よろしくお願いします。

さんちか古書大即売会は、1月19日(木)から24日(火)まで。神戸・三宮さんちか3番街さんちかホールにて。

阪神でご一緒したおくださん、倉地さん、サンコウさんなどがこちらに出られてます。

さんちかの即売会、古本屋になる前はちょくちょく行っていたのに、古本屋になってからぜんぜん行けてない。去年も、行きたいなぁ行けるかなぁと言って、結局行けませんでした、ということをブログに書いてた。

今年もちょっと行けなさそうなので、皆さん僕の代わりにどんどん行ってくださいませ。

たにまち月いち古書即売会

  • 日程:1月20日(金)~22日(日)
  • 時間:10時~18時(最終日は16時まで)
  • 場所:大阪古書会館

さんちか古書大即売会

  • 日程:1月19日(木)~24日(火)
  • 時間:10時~19時半(最終日は18時まで)
  • 場所:神戸・三宮さんちか3番街 さんちかホール

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子供の頃どんなRPGをやっていたか

子供の時の記憶はまず時系列がはっきりしない。どれが先でどれが後かしばしば分からない。あと、覚えていると思っていることも、当時のことを正確に再現し得ているわけではちっともない。

自分の記憶がどのくらい不正確かということをまざまざと見せつけられるのは、子どもの時にプレイしたゲームを今見た時。

「ええっ、こんなんだったっけ!?」

となる。たいていおそろしく美化された状態で記憶に収納されていて、それを想起した時の不思議に甘美な感じというのは、捏造された記憶にもとづいているわけで、つまりは嘘である。

と言ってしまうと身も蓋もないけれど、嘘というか盛っているというか、現実(事実)とはぜんぜん違うものを思い描いて陶酔するというのは、人間が持っている面白い能力の一つで。

思い描き得るものすべてが現実べったりで、幻想の入る余地がまったくないとしたら、僕なんかこの年まで生きていられなかっただろう。それは僕に限ったことではないと思う。

「子供の頃どんなRPGをやっていたか」ということについて書こうと思っていたのに、枕で妙に尺を取ってしまったので、このトピックについては一言で済ませようと思う。

ザナドゥ以来かなり長い間熱心なファルコムファンでした。ザナドゥ、イース、ロマンシア、ソーサリアンとか、そういったところ。ファミコンとかのゲーム機でなく、パソコンでやってました。まあ、おたくでした。

ファルコム壁紙
https://www.falcom.co.jp/download/w_paper/index.html

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文庫レーベル別思い出の一冊(新潮文庫編):呉茂一『ギリシア神話』

呉茂一『ギリシア神話』(新潮文庫)

今でも新刊で買える大ロングセラーの文庫。

中学生の時に読んだ。

おそらく自分で買ったのではなく家にあったのだと思う。家にあったのだとしたら、親が買ったものではなく兄が買ったものだったろう。

うちの親は、父は実用的な本しか読まない人だったし、母は小説をたくさん読んでいたけれど、それはほぼすべてミステリーだった。

その母の影響で、僕が小学生から中学生にかけてよく読んでいたのは赤川次郎だった。赤川次郎はかなり読んでいたと思う(実家に帰るといっぱいある)。

それで中学一年の夏休みの読書感想文は赤川次郎で書いた。どれか一冊を読んでというのではなく、それまでに読んだものを全部ひっくるめて「赤川次郎について」書いた。

この方法(一冊の本についてではなく作家について書くという方法)は、結局中学三年間貫くことになったのだけれど、その話はまたいずれ。

この『ギリシア神話』が思い出の一冊だというのは、その後、神話とかフォークロアとか、古代の遺跡だとか西洋の歴史だとか、中世だとか、つまりはファンタジー的な意匠に対して興味・関心を深めていくことになった、最も最初の頃に手に取った一冊だから。

そもそもそういう方向に関心が向くことになったのは、確実にロールプレイングゲーム(RPG)の影響。

RPGとか作る人になりたかったなぁ!

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「好きな出版社ランキング」続き、白水社のこと

前回の記事の最後、ベスト5にしれっと、それまでに言及していなかった出版社をふたつ混ぜておりました。

白水社と岩波書店。

岩波書店は、外国文学好きなブンコスキーとしては、どうしたってたびたび岩波文庫の赤帯(時々青帯)のお世話になるわけで、あげないわけにいかない。

そして白水社。

外国文学の中でもとりわけフランス文学に、澁澤龍彦や生田耕作に導かれて入っていった身としては、白水社さんにはいろいろな面でお世話になってます。

白水Uブックスや文庫クセジュなど、フランス文学関係の諸々の本はもとより、なんといってもフランス語の語学学習書も!

上の写真は手近にあった語学学習書から白水社の分だけを積んでみたもの。

白水社以外のものも積めばもっと高い塔になります。

こんだけ語学学習書があるのに、ぜんぜんフランス語しゃべれるようになってないのはなんでなんだぁー。

脱線しましたけど、そんなわけで、白水社はそうとう好きな出版社だといえます。1位でもいいくらい。

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