たにまち月いち2015年2月の新ネタ紹介その2

2015年2月の「たにまち月いち」の新ネタ紹介その2。

 

Nakashin

中村真一郎『全ての人は過ぎて行く』他、晩年の随筆集

売り出すにあたって読み返していると、手放したくなくなってきて困ってしまいます。

上の4冊はすべて、90年代にあちこちに書いた随筆風の文章を集めたものです。中村真一郎は1997年末に亡くなっているので、本当に最晩年の文章なども入っています。

僕にとって中村真一郎は、物心ついた頃にはすでに日本文学史上の人物という印象で、これらの文章が書かれた当時に僕もすでに生まれてはいたのだけれど、ぜんぜんタイムリーには読んでませんでした。

今このくらいの頃に書かれた随筆を読むと、僕にとってはそうとう面白いです。ああ、売りたくない。売れなくていいや。

 

Mystery

『海外ミステリ名作100選』他、ミステリガイド本

ブックガイドの類いをパラパラ見るのは好きで、そういうのを覗いてはあれもこれも読みたくなって、そして古本屋通いをして安く売っているのを見つけては買い込んでくるということを、古本屋になる前からやっておりました。古本屋になってもやってます。

ミステリはこの手のガイド本がたくさんあっていいですね。

上記の中村真一郎もそこそこミステリ好きで、「私の好きな海外ミステリー・ベスト5」という文章も上記の4冊の本のうちにありました。

ちなみにそこで挙げられていた5作は、ヴァン・ダイン『僧正殺人事件』、エラリー・クイーン『Yの悲劇』、アガサ・クリスティー『アクロイド殺し』、クレイグ・ライス『スイートホーム殺人事件』、エドマンド・クリスピン『消えた玩具屋』でした。

 

Dietclub

J.B.スタンリー「ダイエット・クラブ」シリーズ全6巻

即売会でミステリをけっこう扱ってるんですが、実を言うと僕自身あまりミステリ好きとはいえません。

かつては好きで、ある時期までは日本のミステリまで含めてそこそこ読んでいたんですが、だんだんと読まなくなってしまいました。

べつに面白くなくなったとかではなくて、他の本を読むだけでいっぱいいっぱいになってきただけです。

それでも時々気晴らしに読むことがあって、比較的最近気晴らしに読んでいたのが、ミステリの中でもコージーという分野のものでした。

ミステリのジャンルの中にコージーというのがあるということを、けっこう最近になるまで知らなくて、ランダムハウスとか原書房が明らかにそれと分かるジャケットで出しているものを、短期間の間にごそっと集めてざざっと読みました。

一番好きなのは古本屋が主人公のアリス・キンバリー(クレオ・コイルの別名義)の「ミステリ書店」シリーズで、以前こそっと全5巻並べていたんですが残念ながらちっとも売れませんでした。

コージーといえば、だいたい30から40歳くらいまでの未婚あるいはバツイチの自営業の女性が主人公というイメージ(偏見)なんですが、この「ダイエット・クラブ」シリーズは、コージーでは珍しい男性が主人公のシリーズです。

 

Alice

ルイス・キャロル『ふしぎの国のアリス』(集英社文庫)

ジャケットのイラストが羽海野チカさんのバージョン。

最近の集英社文庫版は、萌え絵っぽくなっていて、それ自体はかわいい絵で嫌いじゃないんですが、『ふしぎの国のアリス』のジャケットとしてはなんかちょっと違う感があって、それだったら普通にジョン・テニエルの絵でいいんじゃないかなぁと思ってしまったりして。

集英社文庫は古典的作品のジャケットを漫画家さんに描かせたりやなんかして、面白い試みだとは思うけれども、ほとんど「これはイイ!」と思うものがないなか、羽海野チカさんのこれは、なんかけっこう好き。

他に集英社文庫の古典的作品のジャケットで気になっているのは、蒼井優さんのスナップを使ったシリーズ。漱石の『こころ』と武者小路実篤の『友情・初恋』は存在を確認したのだけれど、全部で何点あるんだろう。集めたい。

 

「新ネタ紹介その2」はこれにておしまい。

たにまち月いち古書即売会は2月20日(金)からです。よろしくお願いします。

たにまち月いち2015年2月の新ネタ紹介その1

2015年2月の「たにまち月いち」に持って行く新ネタを一部紹介いたします。

 

Roma

エドワード・ギボン『ローマ帝国衰亡史』(ちくま学芸文庫)全10巻

全何巻といった巻数の多い揃いものは、一回の即売会に一つしか持ち込まないようにしようと思っていて、前回はホームズシリーズを、そして今回はこれ。

若い頃、ファンタジー好きに平行していくらか世界史好きだったので、昔からこの本は「いつか読みたい本」リストに入っていました。

結局なかなか手に入れられずにきて、わりと最近になってやっと全10巻一括で揃いました。

手に入れた時すぐ、一巻冒頭から読み始めたのですが、「あ、これは読み通せないわ」と思いました。若い時ならあるいは読めたかもしれないけれども。

時々、気になる皇帝の時代をつまみ読みするために手元に置いておきたい、という感じですね。

 

Hermetica

ヘルメス叢書『賢者の石について』他全7巻中6巻

先日の天三おかげ館の時から並べております。若干高いせいもあってか売れずに残っております。

ファンタジー好きだった頃に、澁澤龍彦の『黒魔術の手帖』をたまたま手にとって、そこから澁澤龍彦や種村季弘を読むようになって、その流れでヘルメス叢書に行き着きました。

全7巻中どうして6巻しかないんだろう。昔の自分はあと1巻どうして買わなかったのか。残念。

 

Donjuan

ギヨーム・アポリネール『若きドン・ジュアンの手柄ばなし』(河出文庫)とその原典のペーパーバック

アポリネールを読んだのも多分澁澤龍彦からの流れで、同じ河出文庫で出ているもう一冊『一万一千の鞭』では澁澤龍彦が解説とか書いていたような?

若い頃、澁澤龍彦が紹介するエロティックな文学作品は手に入れば手に入れてどんどん読んでおりました。

サドに始まりルイ・アラゴンの『イレーヌ』とかマンディアルグとか。けっこう白水uブックスに入っているものも多くて、そういうのは買いやすかったりしました。

何が買いやすかったかって、近所の天牛堺書店の均一台で安く見つけられたってことなんですが。

 

Kamo

ダニエル・ペナック『カモ少年と謎のペンフレンド』(白水uブックス)

同じ白水uブックスでも、ルイ・アラゴンやマンディアルグとはうってかわって、こちらはお子様にもおすすめの児童文学作品です。

『嵐が丘』と並べている理由は、『カモ少年と謎のペンフレンド』を読めば分かります。

しかし僕は、『カモ少年と謎のペンフレンド』を読んだ時にはまだ『嵐が丘』読んでませんでした。

その後わりとすぐに『嵐が丘』を読んだんですが、『嵐が丘』を読了した時「うーん」とうなりました。今でも考えるとうなってしまいます。

 

「新ネタ紹介その1」はこれにておしまい。

続いて「その2」が書けそうなら書いて更新したいと思っております。

たにまち月いち古書即売会は2月20日(金)からです。よろしくお願いします。

2015年2月のたにまち月いち古書即売会

出ます。

直前に天三おかげ館の即売会があり、直後には所属する市会の特別市もあるということで、2月の「たにまち月いち」に出るのは難しいかなと思っていたのですが、なんとかかんとか準備が間に合いそうなので出ることにしました。

「たにまち月いち古書即売会」は、2月20日(金)から22日(日)までの3日間、大阪古書会館にて。

今回は、新たに持ち込む商品の目録を用意しました。昨年、はじめて即売会に参加した時にも目録を作ったんですが、なぜかその後は作らなくなっていた目録を復活させました。

当日までに時間を割くことができれば、前回の「たにまち月いち」の時のように新ネタ紹介記事を書きたいと思います。

それでは、今月もよろしくお願いします。

天三おかげ館ふるほん販売会

150208a

天神橋筋商店街の天三おかげ館で、2月9日(月)から13日(金)まで、古本即売会をやっております。

参加店は、

矢野書房さん、矢野書房天満橋店さん、ジグソーさん、ハモニカさん、ゆうらくさん、池崎さん、満さん、唯さん、ロビンさんと、わたくし寸心堂の十店であります。

あと、駒鳥文庫さんのところの映画ポスターも6点ばかり並んであります。上の写真の上の方にちらっと写っているのがそれであります。

うちが並べました本は、前回の「たにまち月いち」からあまり時間がなかったため、「たにまち月いち」の荷物にプラス木箱3箱分くらい足しただけであります。

これといって、古本通をうならせられるような目玉商品はございませんが、ごくごく普通の「ちょっと本好き」というくらいの人の琴線にかするような本があるかも。あったらいいな。

というわけで、「ちょっと本好き」のみなさま、お近くをお通りのさいは、ぜひお立ち寄りください。

たにまち月いち2015年1月の新ネタ紹介その2

2015年1月末のたにまち月いちの新ネタ紹介その2。

即売会初日に間に合わなかったですが、一応紹介を続けます。

Elza

「聖エルザクルセイダーズ」シリーズと『ブリキの太鼓』と『素晴らしいアメリカ野球』

変な組み合わせですが、「聖エルザクルセイダーズ」シリーズの松枝蔵人さんの好きな小説がこの二つであるということで。

このことは、著者プロフィールのところに書いてありました。たまたまどちらもあったので、一緒に並べてみることにしました。

僕も中高生の頃は、こんにち言うところの「ラノベ(ライトノベル)」的な小説を読んでいて、今はラノベを出しているレーベルがいっぱいありますが、当時は角川スニーカー文庫と富士見ファンタジア文庫くらいだったようなイメージです。

記憶があやふやなのに確かめもせずに書きますが、「聖エルザ」シリーズは雑誌「コンプティーク」か何かで連載していて、僕はその連載で読んでいました。

今時の中高生も、ラノベを選ぶ時に絵で選ぶということがあるのかどうかわかりませんが、僕の若い時はそんな感じで、これなんかBLACK POINTさん(のちの伊東岳彦さん)の絵で惹かれて読んでみようと思ったのでした。

「聖エルザ」シリーズはかなり好きで、後に出たカセットブックも買いました。今も手元にあります。カセットテープの再生機がないんですが。

 

Ys


飛火野耀『イース』『イース2』

スニーカー文庫つながりで。

この小説を手に取ったのは高校生の時だったと思うのだけれど、きっかけは飛火野耀だからか「イース」だからか、あるいは藤原カムイがジャケットを描いているからかよく覚えておりません。

岡崎武士が絵を描いている『もうひとつの夏へ』を先に読んでいたとしたら、飛火野耀だからというので読みそうではあるけれど、発行年の順番からすると『イース』を先に手に取っているように思うので、だとしたら「イース」でかつ藤原カムイだし、というので手に取ったのかも。

小学生の頃から剣と魔法の冒険活劇好きで、その手の趣味は主にゲームと漫画で育てていて、当時ファルコムが作るパソコンゲームのRPGはほぼみんなプレイしていました。「イース」はそのうちの一つ。

藤原カムイは藤原カムイで、一時期すごく好きでした。初期の変な短篇漫画をいろいろ読んだし、長編だと『雷火』とか好きでした。

この「イース」のアマゾンレビューが1件しかついていなくて、そのレビューが星1つなので非常に残念に思っております。

ずっと読み返していないので内容はほとんど覚えていないんですが、途中エッチな場面があって、当時うぶだったのでずいぶん興奮させられたということだけ、なんかすごく印象に残っています。

そういうシーンがあると思わないで読んでいると突然そういう場面が出てきた時に、やけに興奮させられてしまうということがあって、まあ若い時だったからだろうけれど、『ソフィーの世界』にもそういう場面があって、あれもなんかワイセツに感じたものでした。

 

Sorcery

スティーブ・ジャクソンの「ソーサリー」シリーズ

全4巻のうち3巻まで。全巻揃っていなくて残念ですが。

上で書いたように、若い時はファンタジーのRPG的なものが好きだったのです。わりとおたくだったので、というかむしろがっつりおたくだったので、テーブルトークRPGなんかにも手は出しました。あんまりシャイ過ぎて、TRPGは向いてないってすぐ悟りましたけれども。

そこでこの本のような一人でできるRPGです。今はまあパソコンでもコンシューマー機ででも、コンピュータゲームがあるので需要がほぼ無くなりましたけれども。

でもサイコロ転がすRPGは、なんか面白かったですよ。

 

Holmes

光文社文庫版「シャーロック・ホームズ」全巻と『シャーロック・ホームズの記号論』

僕自身はホームズシリーズはあらかた新潮文庫版で読んだと思うんですが、光文社文庫版が出た時、装幀がいいなあと思ってこれを揃えたいと思ったのでした。

最近河出文庫で注の詳しいホームズ全集が出ているので、それはそれで欲しいとは思ったんですが、どうも単行本版よりも注の量が減っているようなので、それだったら単行本版の方を集めようかなぁという感じです。

おまけに『シャーロック・ホームズの記号論』。

おまけって、ついてくるわけじゃないですけど。でも、アマゾン最安(1月30日現在2399円)よりだいぶお安くなっております。

 

Yakamashi

リンドグレーン「やかまし村」シリーズ全3巻

以前同じ作者の『さすらいの孤児ラスムス』をおすすめしました。それは無事売れていきまして、いま手元に『ラスムス』がなくて寂しい思いをしております。

ラスムスをどのくらい気に入っていたかというと、オンラインRPGゲームをした時(リネージュ2とか)、とりあえず男キャラには「ラスムス」とつけるっていうくらいです。これ、気に入っていることの証になるんだかどうだか。

「やかまし村」シリーズは、実は読んでません。つい最近3冊まとめてぽろっと入手できたので、さっそく即売会に出しております。売れなければ、読もうかなと。映画の方は観ているんですが。

 

「新ネタ紹介その2」はこれにておしまい。

「その3」も書けるようでしたら書きます。

たにまち月いち古書即売会は2月1日(日)までやっております。よろしくお願いします。