だいたいホンの話(5)

IMGP0874 高校生の頃に教科書で森鴎外やなんかを読んだ時は、明治文学ってすごい古いように感じたけれど、その後いくらか明治の文学に親しむようになると、少なくとも明治の後半(夏目漱石が小説を書き始めた頃)から、そうとう日本の文学からもモダンな印象を受けるようになりました。

もちろんこのことは、明治文学の方が変わったわけじゃなくて、僕の思い込みや偏見の方が変わったというわけですが。

今まだ若い人、たとえば十代の人たちは、明治文学はおろか日本の戦後の文学だって随分古臭いものという印象を持っているかもしれないなと思う。それは、僕自身が十代の頃にはやっぱりそうだったし。

僕が、明治文学をけっこうモダンだなと思うようになったきっかけは、漱石の小説だけでなく評論や手紙や、あるいは漱石について書かれたものなどを読み散らかした時かなと思う。

漱石が読んだ外国文学、それについての漱石の論評とか、漱石が哲学や心理学について触れた講演を読んだりすると、物の見方とか感受性において現代人とってまあ自分とですけど、ぜんぜん変わらないなと。それでモダンだなと。

 

 

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