古本即売会イベントは、まだしばらく再開されませんが、古書組合の市場はじわじわ再開されていきそうな感じです。
組合員の皆さま、古書会館でクラスター感染発生させないように、十分気をつけてやっていきましょうね。
先週のプレゼント本は、茂吉『赤光』かフランス詩アンソロジーでした。
毎週2冊候補を挙げて、でも1冊しか送らない。そして、残った1冊は翌週に持ち越し、ということを続けていってじわじわ増やしていって、最終的には常に7冊くらい候補本があるという状態で回していくというのはどうかな? というようなことを考えています。
まあいつまで続けられるのか、ということはありますが、もうちょっとは続けたいところです。
今後とも、よろしくお願いします。
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写真はヴォーヴナルグの『省察と箴言』の全訳本。昭和23年刊。
最近ラ・ロシュフコーの『箴言集』は講談社学術文庫で出ていたけれど、ヴォーヴナルグの新訳も出て欲しいなと思っています。なかなかエッジが効いてて面白いです。
「道徳におけるわれわれの数ある誤謬とわれわれの意見の分裂とは時として次のことから来る。即ちわれわれが人間というものを全く悪いものであり得るかのように考えたり、或いは全く善いものであり得るかのように考えたりすることから。」
人の言動を評価したり判断するにあたって、批判する時には100%悪いように言って、持ち上げる時には100%いいように言うようなことは控えないといけないなと思いました。
他人と意見が食い違った場合、たいてい、相手の意見にも聞くべきところがあるし、自分の意見にも誤謬は含まれてると思わないといけなくて、対話っていうのは相手を言い負かすのが目的ではなくて、両者にとっての落とし所を見つける作業ではなかろうかと思います。
ヴォーヴナルグがそういうような意味で言ってるかは分かりませんが、読んでいるといろいろなトピックについて、いろいろと考えさせられます。
写真の本はなかなか手に入らないと思いますが、岩波文庫でも出てますので、どこかで見つけたら手にしてみて下さい。
ヴォーヴナルグ『不遇なる一天才の手記』(関根秀雄訳)です。
「不遇なる」ってどういうことかというと、32歳で夭折していることを言っているんだと思います。
古本即売会でも見つかるかもしれません。古本即売会が再開されたら、ぜひよろしくお願いします。
それでは、また来週。