2021年秋の「天神さんの古本まつり」の時から、ちょくちょく「スンシン堂の他愛ないハナシ」というフリーペーパーを作って頒布してます。
それぞれの号の内容の概要と、いつどこで頒布したかということを、一覧にしておきます。
イベントで頒布しているのを見かけたら、持ち帰って読んでみてください。
「バックナンバーが読みたいよ!」という奇特な趣味の方がいらっしゃったら、お声がけください。どうにかします。
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その一)
――天神さんの古本まつり2021(初出2021年10月15日)
古い世界文学全集の話。世界文学全集にはキキメの巻というのがあるという話。「えいやっ」と本を買ったのは、フローベール全集と澁澤龍彦全集くらいという話。古本を売るに際して、むやみと高い値付けはできないという話。ぼくにはコレクター気質がないという話。プルーストくらい好きな作家を日本の作家のなかに見つけられないという話。ガイブン入門としてプルーストはおすすめか? という話。
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その二)
――阪神古書フェア2021年10月(初出2021年10月20日)
人にはそれぞれ独特の質感があるなあという話。私はダメな人間だけど、端的に特別な在り方をしているという話。自分の固有の質感は自分ではよく分からないという話。誰でも多かれ少なかれ、他者から軽んじられていると感じるものではないかという話。そして、プルーストもまた、自分が軽んじられていると感じていた人だったのではないかという話。
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その三)
――みつばち古書部2021年11月(初出2021年11月6日)
古典ガイブンからオススメをどう選んだらいいのかという話。ぼくは趣味が悪いので、自分の好きな本のリストがそのままオススメのリストにならないという話。古典ガイブンの面白さはあらすじだけでは表現できないという話。中村真一郎流小説のたのしみ方七種類の話。ジャンル小説と古典ガイブンの違いの話。プルーストは小説の書き方をなかなか見いだせず、やっと小説を書き始められたのは三十七歳くらいの時という話。古典ガイブンを面白がるコツの話。
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その四)
――たにまち月いち古書即売会2021年11月(初出2021年11月19日)
ぼくがなぜガイブン好きなのかという話。澁澤龍彦のガイドでガイブンに入門したせいで仏文寄りでかつ変な趣味になったという話。いわゆる趣味としての競馬と将棋の話。柳瀬尚紀と若島正さんの話。子どもの頃、ファンタジーRPG好きだった話。世界文学全集に名前を連ねているような作家は現代日本でも本当にメジャーといえるのかという話。
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その五)
――たにまち月いち古書即売会2021年12月(初出2021年12月17日)
他者にも自意識があるということにクラクラした話。物の世界と心の世界のどちらが大きいのかという話。他者の内面をいかにして知るのかという話。「さしあたって」の話。心は言語でどれくらい表現できるのかという話。人は思ってもいないこと(自分が信じているわけでもないこと)でも言ったり書いたりできるという話。
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その六)
――歳末阪神古書ノ市2021年12月(初出2021年12月23日)
ぼくが文章を書くのは下手の横好きという話。下手なのになんで書くのかという話。「友だちいないけど」というギャグの話。思ったことをあまり口に出さないのは、シャイなのともう一つ、自分の「思い」に公共性がないからという話。ツイッターは告知・広報とすっとぼけたツイートしかしないという話。裏アカ・別アカあっても誰にもフォローされないという話。コミュニケーション・スキルが絶望的に無いという話。自己肯定感欠如の話。自分と似た人(社交ベタな人)が案外たくさんいると思っているという話。そういう人たちと繋がる方法としてのこの文章であるという話。あらかじめ公共性がありそうなことを書くのは文学の仕事じゃないという話。ぼくは文学オタクなんですという話。
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その七)
――たにまち月いち古書即売会2022年1月(初出2022年1月21日)
文学オタクは言い過ぎでしたという話。でも最近のマイブームが「文学」なんですという話。「文学」の直前は「ルービックキューブ」でしたという話。ルービックキューブが趣味であるとは何をすることかという話。最近の文学ブームはプルーストきっかけかな? という話。プルーストって『失われた時を求めて』を書いた人ですという話。プルーストが分かっちゃったので、やっと次に行けるという話。次はビュトールとドゥルーズに行くよって話。
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その八)
――GIVE ME BOOKS!! SUMMER 2022(初出2022年8月)
いろいろな語彙について、三文だけで何か言う、ということをはじめてやった回。「RPGマガジン」とか「コミックコンプ」とか「米田仁士」とか、漫画アニメ系オタクだった過去に触れてます。
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その九)
――天神さんの古本まつり2022年秋(初出2022年10月)
天神さんの古本まつり25周年記念に作ったトートバッグの話。あと、この時、裏バナシというのもやっていて、そこではぼくがプルーストについて思っていることを書いてます。
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その10)
――みつばち古書部2023年1月(初出2023年1月)
年末年始はビュトールの『心変わり』とドゥルーズの『プルーストとシーニュ』を読んでいた、という話。「ビュトールの小説って、どうなんですか?」。
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その11)
――みつばち古書部2023年2月(初出2023年2月)
プルーストの手帖に書きつけてあった「内部の世界だけが重要である」という一文について。
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その12)
――みつばち古書部2023年3月(初出2023年3月)
プルーストの小説は「感じるのが先、知るのは後」ということをめぐる小説だ(と、ドゥルーズも言っている)、という話。
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その13)
――阪神古書ノ市2023年4、5月(初出2023年4月)
「本を読むということについて」。文学なんていう、読んでも読まなくてもいいようなものを好んで読む人は、たぶん諧謔(ユーモア)が通じる人だ、というような話。
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その14)
――あしやつくるば2023年5月(初出2023年5月)
「好きな文庫レーベルは?」。ぼくはここでは、ちくま文庫、ちくま学芸文庫、講談社学術文庫、河出文庫、光文社古典新訳文庫をあげました。皆さまはどうですか?
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その15)
――(初出2023年6月)
ときどき、あることについてその「本質が分かった」みたいなことを、ついつい言ってしまうけど、本当にそうなの? という話。ウィトゲンシュタインは『論考』の時は自信満々に「本質が分かった」と言っていたけど、『探求』ではそう言ってしまうことを警戒していた様子が見えるというような話。でも「本質はコレ!」って言った方がウケるよね、という話。
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その16)
――天神さんの古本まつり2023年10月(初出2023年10月)
『失われた時を求めて』は青春小説なので、存在を知って興味が湧いたら早いうちに読んだらいいかも。そうでもないかも。というような曖昧な話。とりえず「作家志望者小説」ではあるので、小説書くような人は読んだらいいかも。知らんけど。みたいな話。
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その17)
――アルデ新大阪2024年6月(初出2024年6月)
ジェイン・オースティの『説得』を読んだ時の感想のようなもの。非モテ男子にとってオースティンは鬼門だという話。ベンウィック大佐にはもうちょっと活躍して欲しかった!
■スンシン堂の他愛ないハナシ(その18)
――天神さんの古本まつり2024年10月(初出2024年10月)
ジェイン・オースティンの小説のスタイルの話。ポイントは、ミニマリズムとアイロニーとユーモアだっていう話。オースティン風ミニマリズムとかアイロニーって、『ボヴァリー夫人』のそれと似ていると思うという話。ベタとアイロニーの微妙な距離感の話。
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