寸心堂の12月の予定について

12月は、「たにまち月いち古書即売会」と「阪神古書フェア」に出店します!

たにまち月いち古書即売会は、12月17日(金)から19日(日)までです。

大阪古書会館にて。大阪古書会館は、大阪メトロの谷町四丁目駅か谷町六丁目駅から歩いて、近いといえば近い、遠いといえば遠い、微妙なところにあります。

たにまち月いち古書即売会は、月に三日間だけ、古本屋が出現しては消えていくといったようなおもむきのある、オモシロイベントなので、ご近所さんはぜひ覗きに来てください。

といってもなかなか、ご近所さんに告知が行き渡らないよねー。

テレビの取材とか、来てくれないかなー。

そして、谷町月一の直後に、阪神の古書フェアがあります。

こちらは、12月23日(木)から30日(木)までの、8日間。

梅田の阪神百貨店(うめだ本店)の8階催場にて。

阪神のホームページにまだ詳細が出てなかったので、出た後でまた追記しようと思います。

あともう一つ、出店したいなと思っているイベントがあるんですが、「出たい」と言って、まだ間に合うのかな?

決まったらおってお知らせします。

フリーペーパー「スンシン堂の他愛ないハナシ」の続きも、多分イベント毎に新しいの、持って行けると思います。よかったら読んでみてください。

12月も、もろもろ、どうぞよろしくお願いします。

スンシン堂の他愛ないハナシ、内容概要一覧

近頃(2021年秋頃から)イベント毎に、A4用紙裏表いっぱい使って、3000字から4000字くらいの散文を書いて、フリーペーパーとして頒布してます。

基本的には、そのイベントで2、30枚程度配るきりと考えてるんですが、後続のイベントで残っているのを引き続き配ったりもします。

ご要望を頂いたら、バックナンバーを追加で作って、新しいイベントのときに多少持って行くということもします(してます)。

それぞれの回の内容の概要と、いつどこで頒布したかということを、一覧にしておきます。

催事の現場やみつばち古書部で見かけたら、もらって読んでみてもらえたら嬉しいです。よろしくお願いします。

■スンシン堂の他愛ないハナシ(その一)
――天神さんの古本まつり2021(初出2021年10月15日)
古い世界文学全集の話。世界文学全集にはキキメの巻というのがあるという話。「えいやっ」と本を買ったのは、フローベール全集と澁澤龍彦全集くらいという話。古本を売るに際して、むやみと高い値付けはできないという話。ぼくにはコレクター気質がないという話。プルーストくらい好きな作家を日本の作家のなかに見つけられないという話。ガイブン入門としてプルーストはおすすめか? という話。

■スンシン堂の他愛ないハナシ(その二)
――阪神古書フェア2021年10月(初出2021年10月20日)
人にはそれぞれ独特の質感があるなあという話。私はダメな人間だけど、端的に特別な在り方をしているという話。自分の固有の質感は自分ではよく分からないという話。誰でも多かれ少なかれ、他者から軽んじられていると感じるものではないかという話。そして、プルーストもまた、自分が軽んじられていると感じていた人だったのではないかという話。

■スンシン堂の他愛ないハナシ(その三)
――みつばち古書部2021年11月(初出2021年11月6日)
古典ガイブンからオススメをどう選んだらいいのかという話。ぼくは趣味が悪いので、自分の好きな本のリストがそのままオススメのリストにならないという話。古典ガイブンの面白さはあらすじだけでは表現できないという話。中村真一郎流小説のたのしみ方七種類の話。ジャンル小説と古典ガイブンの違いの話。プルーストは小説の書き方をなかなか見いだせず、やっと小説を書き始められたのは三十七歳くらいの時という話。古典ガイブンを面白がるコツの話。

■スンシン堂の他愛ないハナシ(その四)
――たにまち月いち古書即売会2021年11月(初出2021年11月19日)
ぼくがなぜガイブン好きなのかという話。澁澤龍彦のガイドでガイブンに入門したせいで仏文寄りでかつ変な趣味になったという話。いわゆる趣味としての競馬と将棋の話。柳瀬尚紀と若島正さんの話。子どもの頃、ファンタジーRPG好きだった話。世界文学全集に名前を連ねているような作家は現代日本でも本当にメジャーといえるのかという話。

■スンシン堂の他愛ないハナシ(その五)
――たにまち月いち古書即売会2021年12月(初出2021年12月17日)
他者にも自意識があるということにクラクラした話。物の世界と心の世界のどちらが大きいのかという話。他者の内面をいかにして知るのかという話。「さしあたって」の話。心は言語でどれくらい表現できるのかという話。人は思ってもいないこと(自分が信じているわけでもないこと)でも言ったり書いたりできるという話。

■スンシン堂の他愛ないハナシ(その六)
――歳末阪神古書ノ市2021年12月(初出2021年12月23日)
ぼくが文章を書くのは下手の横好きという話。下手なのになんで書くのかという話。「友だちいないけど」というギャグの話。思ったことをあまり口に出さないのは、シャイなのともう一つ、自分の「思い」に公共性がないからという話。ツイッターは告知・広報とすっとぼけたツイートしかしないという話。裏アカ・別アカあっても誰にもフォローされないという話。コミュニケーション・スキルが絶望的に無いという話。自己肯定感欠如の話。自分と似た人(社交ベタな人)が案外たくさんいると思っているという話。そういう人たちと繋がる方法としてのこの文章であるという話。あらかじめ公共性がありそうなことを書くのは文学の仕事じゃないという話。ぼくは文学オタクなんですという話。

スンシン堂の他愛ないハナシ(その七)
――たにまち月いち古書即売会2022年1月(初出2022年1月21日)
文学オタクは言い過ぎでしたという話。でも最近のマイブームが「文学」なんですという話。「文学」の直前は「ルービックキューブ」でしたという話。ルービックキューブが趣味であるとは何をすることかという話。最近の文学ブームはプルーストきっかけかな? という話。プルーストって『失われた時を求めて』を書いた人ですという話。プルーストが分かっちゃったので、やっと次に行けるという話。次はビュトールとドゥルーズに行くよって話。

スンシン堂の他愛ないハナシ(その八)
――GIVE ME BOOKS!! SUMMER 2022(初出2022年8月)
いろいろな語彙について、三文だけで何か言う、ということをはじめてやった回。「RPGマガジン」とか「コミックコンプ」とか「米田仁士」とか、漫画アニメ系オタクだった過去に触れてます。

■スンシン堂の他愛ないハナシ(その九)
――天神さんの古本まつり2022年秋(初出2022年10月)
天神さんの古本まつり25周年記念に作ったトートバッグの話。あと、この時、裏バナシというのもやっていて、そこではぼくがプルーストについて思っていることを書いてます。

■スンシン堂の他愛ないハナシ(その10)
――みつばち古書部2023年1月(初出2023年1月)
年末年始はビュトールの『心変わり』とドゥルーズの『プルーストとシーニュ』を読んでいた、という話。「ビュトールの小説って、どうなんですか?」。

■スンシン堂の他愛ないハナシ(その11)
――みつばち古書部2023年2月(初出2023年2月)
プルーストの手帖に書きつけてあった「内部の世界だけが重要である」という一文について。

■スンシン堂の他愛ないハナシ(その12)
――みつばち古書部2023年3月(初出2023年3月)
プルーストの小説は「感じるのが先、知るのは後」ということをめぐる小説だ(と、ドゥルーズも言っている)、という話。

■スンシン堂の他愛ないハナシ(その13)
――阪神古書ノ市2023年4、5月(初出2023年4月)
「本を読むということについて」。文学なんていう、読んでも読まなくてもいいようなものを好んで読む人は、たぶん諧謔(ユーモア)が通じる人だ、というような話。

■スンシン堂の他愛ないハナシ(その14)
――あしやつくるば2023年5月(初出2023年5月)
「好きな文庫レーベルは?」。ぼくはここでは、ちくま文庫、ちくま学芸文庫、講談社学術文庫、河出文庫、光文社古典新訳文庫をあげました。皆さまはどうですか?

最近書いている散文について:その動機と方法のこと

最近イベントで配布しているペーパー

 最近、イベントごとにチラシを作って配布するということをはじめました。一箱古本市とか同人誌即売会みたいなイベントでは、その日だけ配るペーパーを作るというような文化があったかと思うんです。そういうのに以前から憧れがあって、「やりたいな」ということはずっと思ってました。
 何度かチャレンジしてみたことはあったんですが、だいたい古本即売会の直前というのは異常にバタバタしていて、ちょっと腰を落ち着けてペーパーのために文章を考えて書いてみる、なんていうことをする余裕があることはめったになかったんです。
 それなので、たまたま余裕のあるときは出せたけど、そういう機会はめったにないということで、最近ではもう試みようとさえしてませんでした。
 このたび、そんなに余裕があったわけでもないのに、天神さんの古本まつり、阪神古書フェアと、続けてペーパーを出せたのは、書く動機を与えられたことと、書く方法を思いついたことという、二つのことがたまたま重なったからでした。

 まず動機についてですが、これは、これまでに出した二つのペーパーのどちらでも触れていたことですが、ある人に「外国文学のおすすめ」を聞かれた、ということがじっさいにあったということです。
 聞かれた瞬間に、「じゃああれとこれとそれなんかをおすすめします」みたいに言えたらよかったんですが、そういう決断力のないぼくは、悩んだ末に「それ文章にして書いてみるので、書けたら読んでください」というような答えをしたのでした。
 つまり、おすすめ外国文学のお話を書くという約束を、ある人と交わしたのでした。これが動機です。
 この問いにまっすぐ答える準備も一方ではしてます。まっすぐ答えるというのは、おすすめ小説のリストを作って、どうしてそういうリストになったのかの選評(?)みたいなものを書く、というようなことです。これはこれでいずれ実現させるつもりですが、まあまあ時間がかかりそうなので、のんびり待っていてもらえたらなと思っています。

 次の問題は書く方法でした。
 ペーパーを作るのにそんなに時間はかけられないので、いろいろ思い浮かぶ方法のうち、ほとんどのものは採用できないことはすぐに分かりました。
 たとえばおすすめの小説をがっつり紹介する、書評のようなものをやるとしたら、まずその小説を再読するとかいうところから始めないといけないわけで、そこまでの時間はかけられないよ、というようなこととか。
 それで思いついたというか、「こういう書き方でどうだろう?」と直感したのが、次のような書き方でした。
 テーマはぼんやりと外国文学のこととする。書いているうちに外国文学の話になればいいし、ならなかったらそれはそれで仕方ない、くらいにぼんやりとさせておく。
 そしてまず、なんでもいいから一つのフレーズを書いてみる。そのフレーズで続きが書けそうになかったら別のフレーズを書く。いくつか書いているうちに、このフレーズを採用しようと決めたら、そこからはその先をとにかくずるずると書き続けるようにする。
 最初のフレーズから、できるだけ飛躍を少なくして文章を書き継ぐようにする。一つの文とその次の文の間の飛躍はできるだけ少なくするけれど、書き続けるうちにできるだけ「遠くに行こう」ということは考える。つまり書き出しのフレーズは、べつにその文章全体の主題でもないし、中心的なトピックというわけでもないと思っておく。
 そうやってぐずぐずとした書き方で書き続けて、紙面が尽きたらそこですっぱり終わる。文章全体のまとめをするとか、振り返るとかしなくてもいい。うまくスタートの話題に回帰してきれいに終われることがあれば、それはそれでいいけど、そうならなくても気にしない。
 そして最後に、この書き方用の「文体を作る」ということを考えました。

 われながらなかなかひどい書き方だと思います。人に読んでもらうための文章の書き方ではないと思います。
 世の中によくある「文章の書き方」の方法の裏を行くようなやり方かなと思います。
 こんな書き方をしていたら、読んでくれる人はほとんどいなくなると思います。みんなに読んでもらいたいのであれば、もうちょっと文章作法を守った方がいいんじゃないかと、思わないでもないんですが……。
 でも、ある一人の人間が発する言葉っていうのは、べつに「みんな」に届く必要はぜんぜんないと思うんです。
 いまの世の中には、というか、多分いつの世の中でも、「みんな」に届けようとすることで、多少のポピュラリティーを得るのと引き換えに、いろんなことを失っている表現っていうのが、すごくあるんじゃないかなと思っていて、その裏を行くっていうやり方も、まあやってみてもいいんじゃないかなと。
 ポピュラリティーを狙うことで失ってしまうものの方を取りに行く(ポピュラリティーを犠牲にして)という「書き方」を、現在進行形で模索中です。

 結果、ただ読みにくい文章を量産するだけになるかもしれませんが、たくさん書くことでなにか大切なものを掬い取れたらいいなと思ってますので、「寸心堂のやることだったら、ちょっと付き合ってやろうか」という心の広いかたがいらっしゃったら、ぜひ今後とも、新しいチラシを持っていって、たまに読んでもらえたら嬉しいです。

 たにまち月いち古書即売会も、来てね!

寸心堂の11月の予定について

11月はイベントとしては、「たにまち月いち古書即売会」一本になるのかなと思います。

あと、11月のできるだけ早いうちに、「みつばち古書部」に本を持って行きたいと思っています。

先日の「天神さんの古本まつり」と「阪神古書フェア」で、なんだかよくわからない雑文のチラシを作りました。ああいうのを、今後もイベントごとに作っていけたらいいなと思ってます。11月の谷町月一と、みつばち古書部にも、それぞれ書き下ろして配布できたらいいなと思ってます。見かけたらもらって帰ってください。

11月の「たにまち月いち古書即売会」は、11月19日(金)から21日(日)までだったと思います。のちのちちゃんと確認しておきます。

金曜、土曜は10時から18時まで。最終日の日曜は10時から16時まで。

大阪古書会館にて。大阪古書会館は、大阪メトロ谷町線の谷町四丁目駅か谷町六丁目駅から、ほとんど同じくらいの距離です。谷町線を一路西に入った通りにあります。

寸心堂は店舗を持つまでは、「たにまち月いち古書即売会」がホームグラウンドだと思っていますので、皆様ぜひ、大阪古書会館までお越しください。

「みつばち古書部」は、文の里駅から商店街に入ってわりとすぐのところです。

開店時間はまちまちですが、ほとんど毎日やっています。

「みつばち古書部」の方も、どうぞよろしくお願いします。

10月の大阪の古本スケジュール!!

大阪の10月といえば……、四天王寺と天満宮の古本まつりですよね!

天神さんの古本まつりチラシ表
天神さんの古本まつり

というわけで今年もやってきました、読書の秋、古本まつりのシーズンです。

そのうえ今年の大阪はなんと! 阪神百貨店での古本即売会もあります!

これで10月の古本スケジュールがどういうことになったかといいますと。

10月8日(金)から四天王寺秋の大古本まつり。これが10月12日(火)まで

そして、10月15日(金)から、大阪天満宮にて、天神さんの古本まつり。これが10月19日(火)まで

さらに、10月20日(水)から、梅田の阪神百貨店にて、秋の阪神古書フェア10月25日(月)まで

10月の31日のうち、16日も古本即売会やってます! 半分以上! 異常!

寸心堂書店は、天神さんの古本まつりと阪神古書フェアに出店します。

あと、四天王寺の初日に、古本横丁さんのところにバイトに入っているので、見かけたら声かけてね。あるいは、顔合わさないように逃げて!

天神さんの片付けをしたその日のうちに阪神の設営もしないといけないという、なかなかにやばい段取りです。天神さんの閉店頃に寸心堂ブースに知り合いがいたら、「片付け手伝ってちょうだい!」って声かけるかもしれないので、その際はなにとぞ、なにとぞ……。

というようなわけで、2021年10月も、どうぞよろしくお願いします!