個人的に、電子書籍でもって本を読むということが視野に入ってきたのは、この5、6年のことかと思う。
一般に、日本で電子書籍元年といわれる年は2010年らしい。タブレット端末の走りであろうiPadが最初に出た年も2010年だったようで。
僕自身初代のiPadを買っていて、その時、「これで電子書籍を読んでみよう!」と思っていました。
実際ある程度は、iPadでも読んでみたのですが……。
しかし、初代iPadが出た当時は、結局、電子書籍はほとんどデスクトップパソコン(とそのディスプレイ)で読んでいました。
※その理由はいくつかあって、僕にとっては興味深い話題なんですが、今はこの話題は掘り下げないことにします。
電子書籍でもって本を読むという習慣がさらに進むのは、僕の場合は、アマゾンのKindleを手に入れてからになります。
最初のKindleを手に入れた経緯についての記憶が曖昧でしたが、調べているうちに思い出してきました。最初のKindle Paperwhiteが出た時にすぐ、ビックカメラで買ったんでした。香川に一泊旅行に行ったその帰りだったはずです。2012年の秋頃。
その後じわじわと、Kindleで電子書籍を読むという習慣が、本を読む生活の中に浸透していきました。今ではそうとう浸透しています。
どのくらい浸透しているかというと、電車移動時間はほぼKindle読書です。それに伴い、外出中のスキマ時間も同じく。
その時にどうしても読みたい紙の本がある時は、そういう本を持ち歩きますし、出先で本を買った帰り道は、その本のあとがきや解説を読むのが慣わしですが、基本的には、出かける時にはできるだけ紙の本を持ち出さず、Kindle内に入ってる本を読むようにしています。
理由は二つ。
一つは、紙の本を持ち歩くと、鞄の中で本が傷むことがあるから。
もう一つは、Kindle本でも読みたい本が積まれてきたから。
この二つ目の理由が大きくて、外出中Kindle本ばっかり読むようにしたとしても、Kindle本が切れることはなさそうだな、という感じになりました。つまり、Kindle本の積ん読本が溜まってきたということでして。
そうなったのは結構最近のことで、今年(2016年)に入ってすぐの頃でした。
去年の年末から今年の年始にかけて、Kindle本の半額セールがありまして、その対象に光文社古典新訳文庫も入っていました。それでその時に、光文社古典新訳文庫だけでも20冊くらい、それ以外の本も4、5冊ほど買ったのでした。
その時から以降、「電車内読書はKindleで行こう」ということになりました。
電子書籍って、あんまり積ん読しないだろうと思ってました。紙の本と違って、物として所有すること自体の快楽がほぼないから。でも、積ん読しない理由はそういうことではなかったようです。
自分が紙の本を積んでいる理由を考えたら、そんな理由でないことは明らかなんですが。つまり、所有の快楽の有無はほとんど関係がない、ということが。
僕がどういう時に紙の本を積んでいるかというと、漠然と欲しいと思っている本を、古本屋で安く見つけた時です。
新刊書店で定価で買う本は、そんなに積みません。すぐにでも読む前提で買います。読み始めて挫折して、結果積んでしまうことはありますが。すぐに読むつもりのない本は、「また今度でいいや」と思って買いません。今度来ても同じ本が同じ値段で売ってるだろうと、一応思うから。
※今日の出版事情では、ある種の本は、出た時にすぐ買っておかないと手に入りにくくなるかもしれない、といったことも多少考えますが、この問題についても今はスルーします。
要するに僕は、安売りとかセールっていうのに弱いというだけでした。
今しかその値段で買えないかも、と思うと買っちゃうっていう。古本屋で本を買うのも、読みたいものを探して買っているというより、安い! お得! ラッキー! という感覚が気持ちよくて買っているような気がしてきました。
多分だいたいそういうことなんだと思います。
読みたい本を見つけた時よりも、安い本を見つけた時の方が、なんか気持ちよくなる脳内物質出てる気がします。
電子書籍の場合もそうで、紙の本とほとんど同じような値段で売っている時には、ぜんぜん見向きもしません。「それだったら紙の本買うわ」と思います。しかし、「今だけ半額!」とかやられると、「あ、買っちゃおうかな……」となります。
光文社古典新訳文庫は、つい先日にも一部のタイトルの半額セールをしてくれていました。僕としては、岩波文庫やちくま文庫なんかも、それに続いて欲しいなぁと思う次第であります。
ひとつ、よろしくお願いします。
って、誰に言ってるんだか。