店主の購書記:7月1週

  1. 井上究一郎『水無瀬川』(筑摩書房)
  2. 石川淳『石川淳評論集』(ちくま文庫)
  3. 芳川泰久『書斎のトリコロール』(自由国民社)
  4. 『東欧SF傑作集(下)』(創元SF文庫)
  5. H.G.ウェルズ『解放された世界』(浜野輝訳・岩波文庫)
  6. 鈴木道彦『フランス文学者の誕生 マラルメへの旅』(筑摩書房)
  7. M.ミオー&J.ランジュ『娘たちの学校』(菅原孝雄訳・ペヨトル工房)
  8. モーム『劇場』(龍口直太朗訳・新潮文庫)

(1)難波はエキモの天牛堺書店にて。
 井上究一郎はプルースト『失われた時を求めて』の個人全訳を日本で一番最初にやったフランス文学者。『水無瀬川』は1994年に出た自選エッセー集。

(2)難波の望月書店にて。
 ちくま文庫の石川淳コレクションは短篇小説選、長篇小説選とこの評論選の三冊出ていますが、現在すべて絶版状態のようです。

(3)難波は古書センターの山羊ブックスにて。
 山羊ブックスさんでは欲しい本がいっぱいあったのだけれど、どれもこれも買うわけにいかず、三冊だけ。そのうちの一冊がこれ。
 芳川泰久さんは、最近新潮社からプルースト関連本二冊と、ボヴァリー夫人の新訳を立て続けに刊行されてました。僕はそのうち二冊は新刊で購入。
 この本は、その芳川さんが1994年に出した本で、たくさんのフランス小説(303 romans français d’aujourd’hui と書いてある)の書評集といった趣きの本。

(4)なかもずの天牛堺書店にて。
 ブックオフやなんかではあまり見ないなと思ったので買ってみた。案の定絶版本だった。
 上巻も一緒にあればよかったのだけれど、短篇集なのでさしあたり下巻だけでも。

(5)同じく天牛堺書店にて。
 岩波の赤帯は、持っていないものを見かけたらとにかく買う、というくらいの勢いで買ってます。
 これは持っていませんでした。

(6)泉ヶ丘の紀伊國屋書店にて。
 鈴木道彦さんは、『失われた時を求めて』の個人全訳を日本で二番目にやったフランス文学者。
 で、その鈴木道彦さんのお父さんが鈴木信太郎で、これはその鈴木信太郎の伝記です。
 今週唯一買った新刊本で、買った翌日に読了しました。
 フランス文学者の伝記ってどうもすごく好きみたい。辰野隆の伝記を読んだ時もすごく楽しくて、そのあと辰野隆随想全集を買って全部読んだりしました。
 当然今は鈴木信太郎全集が欲しくなっています。市に出てこないかな。

(7)千林のブックマートにて。
 17世紀フランスの好色文学。
 とくに好色文学好きというわけではないのだけれど、こういう時代のこういう小説はそんなにないと思うので、とりあえず確保。

(8)森小路のキーツ・アンド・カンパニーにて。
 千林には市があるため毎週通っているのだけれど、その隣の森小路には滅多に立ち寄らないので、この古本屋さんに来るのも、ものすごく久しぶり。
 最近モームの『人間の絆』を読んでいて面白かったのでこれも買ってみました。
『人間の絆』 、まだ読了してないんだけど。


 鈴木信太郎の伝記が面白かったです。
 鈴木家は戦前は相当の資産家で、鈴木信太郎は、自分で稼ぐお金だけではとても買えないようなフランスの本を尋常じゃないくらい買い集めていたそうです。
 さらに、何があっても焼けたりやなんかしないようにと、鉄筋コンクリートで書庫を建てて、蔵書はそこに保管して、おかげで、戦争で家は焼けたけれど書庫や蔵書は無事だったという。
 その書庫の建物は、最近豊島区に寄贈されたそうです。 蔵書の方は獨協大学に寄贈されているそうです。

 現代でも、ものすごい資産家の息子か資産家本人が文学に没頭して、金に糸目をつけずに本を集めている、というようなことはないのかなぁと夢想します。
 いたらお知り合いになりたい。

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