2月の即売会準備中:集英社ギャラリー・世界の文学

集英社ギャラリー・世界の文学


二十歳前後から数年間、近所の図書館(堺市立南図書館)をよく利用していた。そこの外国文学の棚に、集英社ギャラリー・世界の文学が並んでいた。借りた記憶は全然ないけれど、「こういうのうちの本棚に欲しいな」とは思っていた。

基本的には、世界文学全集の類いってむやみと巻数が多いので、家の本棚にずらっと並べると、なんていうか、ちょっと邪魔な感じになる気がする。並べたことないので、想像で言ってるだけだけど。

集英社ギャラリー・世界の文学は、全20巻と少なめなので、全部並べておいても、まだ格好がつくような気がする。それに収録作品もちょうどいい感じ。ここに収録されている物くらいは、全部読んでおいてもいいかなと思う。

装幀や造本も悪くない。ただし本が大きくて、読むとなると机に向かって読むしかないような感じなので、そこが大きな問題ではあるかもしれない。

でも、机に向かってゆっくり本を読むという時間は、あってもいいと思う。というか、そういう時間を捻出しないといけないなと思っている。忙しくて隙間時間しか本が読めないとか、嫌だ。

二十年近く前に「うちの本棚に欲しいな」と思っていたものを、このたびついに手に入れることができた。寸心堂書店には、ただいま現在、集英社ギャラリー・世界の文学全20巻揃ってます。ああ、お店があればなぁ。

お店がないので、たにまち月いち古書即売会と、水の都の古本展でお披露目します。1冊くらいは売れるかな?

唐突に話が変わるけれど、平凡社ライブラリーでいつも探している本が2冊あって、それはナボコフの『ニコライ・ゴーゴリ』とゴンブローヴィッチの『フェルディドゥルケ』なんだけど、でもそれが、ぜんぜん見つけられない。

ところが今日知ったのだけれど、なんと『フェルディドゥルケ』は、集英社ギャラリー・世界の文学の第12巻に収録されてました。『フェルディドゥルケ』を読みたいだけなら、平凡社ライブラリー版を探すより集英社ギャラリー・世界の文学版を探した方が見つかる可能性高そう。

ここだけの話、いまアマゾン最安値めちゃ安いし。

というわけで、集英社ギャラリー・世界の文学がずらっと並んでいるところを、たにまち月いち古書即売会と水の都の古本展まで見に来て下さい。

たにまち月いち古書即売会は、大阪古書会館にて、2月17日(金)から。

水の都の古本展は、大阪市中央公会堂にて、2月21日(火)から。

お待ちしてます。

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2月の即売会準備中:いろいろ9冊

今日値付けをしていて「売る前に読んでおきたいな」と思った本たち。

上の写真の右から順に一言ずつ。

神西清『堀辰雄文学の魅力』
ロシア文学者の神西清による堀辰雄案内。僕は堀辰雄のいい読者でないので(つまりちょっとしか読んでないので)、これを読んで堀辰雄に入門したい。

秋山駿『恋愛の発見』
大人になると「文学とは何か」みたいな大上段な問題意識を持ち続けるのって、なかなか難しい。「その問題って別に解決しなくても生きていけるしな」みたいな考えの、つまらない大人になってしまっておりまして。
で、ときどき、そういう問題意識で書かれているものを、ちょっと読んでみて、若いときの気持ちを思い出そうかなと思うこともありまして。
帯文に「文学の源泉、或いは文学の魅力の一番の精髄は、恋愛と犯罪である」みたいなことが書いていて、ちょっとその先の話が聞きたいという気持ちに。

『西脇順三郎対談集』
西脇順三郎のエピソードで忘れがたいのの一つに、「卒論をラテン語で書いた」ってやつがあるんだけど、吉田健一との対談によるとそれは事実らしく、かつ何の論文だったかっていうと経済学の論文だったんだって。なんとなく文学関係の何かだろうと思い込んでた。
西脇順三郎の、人間の実存を「淋しさ」にみる一連の詩とか好き。僕は人生ってのはとことん切ないものだなぁと思っていて、人間存在の「せつなさ」を主題にして詩か短歌か書いてみたい。書けないけど。

田中小実昌『モナドには窓がない』
カントとライプニッツのところだけでいいから読んでおきたい。谷町月一初日までに読めてなかったら棚に並べないかも。嘘です、並べます。

レイモン・クノー『文体練習』(水声社版)
ずいぶん昔に堺市立南図書館(泉ヶ丘駅前の図書館)で朝日出版社版を借りて読んだ。その後天牛堺書店さんで古本を買って手に入れてもう一回読んだ。そして、つい先日、ツイン21の古本まつりで高山文庫さんが水声社版を売っていたので買った。そして本文を3分の1くらい読んだところで止まっている。売るまでに読みたいのは本文よりも、論文や解説などのおまけのところ。この本、おまけ部分が多いんです。

アンリ・トロワイヤ『石、紙、鋏』
トロワイヤといえば伝記作家みたいなイメージがあって、実際僕も伝記しか読んだことがない。そんなトロワイヤの小説を小笠原豊樹が訳しているということで、いずれ読んでみたいなぁと思っている。そう思いながらいつまでも読まないという本がどれだけあることか。

ジョルジュ・シャルボニエ『ボルヘスとの対話』
まあボルヘスですから。以上。

市川浩『ベルクソン』
フランス文学好きで哲学にもちょっと興味があって、小林秀雄も嫌いではなかったのに、どういうわけかベルクソンは高校時代に岩波文庫の『笑い』ってのを手に取っただけで、主著にあたるようなものはぜんぜん読んでいない。
ちょっと前に(年寄りの言う「ちょっと前」ってのは10年前でもちょっと前ですからね)、竹内信夫さんがベルクソンの新訳をどんどん出されると知った時に、この機会に読んでみようかなと思っていたのだけれど、未だ入手もできておらず。
主著にあたる前にこの概説本でお勉強しておこうかな、と。

P・ヒューズ/G・ブレヒト『パラドクスの匣』(柳瀬尚紀訳)
パラドクスの実例がズラズラ出てくるばっかりの本。バカバカしくて楽しい本。さすが柳瀬尚紀さん。アマゾンの値段は高すぎだと思います。うちは良心的なお値段で。いくらかは確認しに来て下さい。

たにまち月いち古書即売会は、大阪古書会館にて、2月17日(金)から。

水の都の古本展は、大阪市中央公会堂にて、2月21日(火)から。

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2月の即売会準備中:大友克洋『童夢』

これからしばらく、今月(2017年2月)の谷町月一と水の都の古本展に向けてコツコツ本を準備し続けることになるので、そうした準備中の本のうち、ちょっとひとこと言いたい本を、続々と紹介していきたいと思います。

大友克洋『童夢』

もう何回売ってるか分からないけれど、また新しく仕入れることができたので出します。

刷が比較的最近のなので、けっこう美本です。

大友克洋は最も好きな漫画家のひとり。

中学時代に『AKIRA』が映画化されて、普段劇場に映画を観に行くことはない中学生だったけれど、『AKIRA』は観に行きました。

当時は今みたいに、一回の上映ごとに観客総入れ替え制でなかったので、続けて二回観ることができました。

後にビデオが出たらそれも買ったし、芸能山城組のサントラCDも買いました。雑誌で『AKIRA』の特集号みたいなのが出ているのを買った記憶もあるし、映画化後ヤングマガジンでの『AKIRA』の連載中はヤンマガをずっと買い続けてました。

中学生の頃って、お金そんなに持ってなかったので、リアルで「本を買ったら帰りの電車賃が無くなった」ってやつを経験したことがあるんですが、それが、当時は住んでいるところの隣駅の深井の駅前にあった「わんだ~らんど」という漫画専門店で『AKIRA』を買った時でした。

深井から泉ヶ丘って、けっこう遠くて、今でも歩いて行こうとは思わないけれど、中学生時分にはもっと遠く感じたろうと思う。

『AKIRA』で大友克洋を知った後は、手に入る限りの大友克洋の単行本を買って読みました。おそらく『ブギウギワルツ』という単行本以外は全部、一度は所有していたはずです。

アキラ絵コンテ集も当然持ってました。今アマゾンで若干高くなってますが、僕は「パックンチョ」(だったと思う)と交換に手放しました。

新刊書店で働いていた時、お客さんでアキラ絵コンテ集が欲しいという人がいて、当時すでに版元絶版で取次でも在庫がないという状態でした。

しかし、僕の家にはある。で、あげたのでした。お礼にといってパックンチョいただきました。

ぜんぜん『童夢』の話にならないけれど。

『童夢』をまだ読んだことがない人は、ある意味ラッキーだと思う。日本漫画史上に残る傑作をこれから初めて読めるという意味で。

『童夢』に限らず、大友克洋の漫画を読んだことがないという若い人がいたら、『AKIRA』もいいけど全6巻と長いし、とりあえず『童夢』でもどうでしょう。

「たにまち月いち古書即売会」は2月17日(金)から。

「水の都の古本展」は2月21日(火)から。

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2017年2月の寸心堂書店が参加するイベント情報


2月はいよいよ「第8回水の都の古本展」です。

大阪市中央公会堂にて。中央公会堂の2階、第6・7・8会議室です。

2月21日(火)から24日(金)までの四日間。

土・日を含まないあやしい会期ですけど、最終日以外は20時までやってます! 学校帰りや仕事帰りでも間に合うのではないでしょうか? (最終日は17時まで)

重要文化財の素敵なロケーションでの古本即売会です。年に一回しかありません。ぜひ皆様、一度覗きに来て下さいませ。

あと、毎月恒例の「たにまち月いち古書即売会」は2月にもあります。

2月17日(金)から19日(日)まで。

大阪古書会館にて。大阪古書会館は、谷町四丁目と六丁目のちょうど中間。谷町筋を一路西に入った通りです。

上述の通り、両古本即売会の会期が接近してます。

どっちも出る寸心堂は、なかなか厳しい戦いが予想されます。お客様におかれましては、温情をおかけくださることをご期待しております。

つまりは「買いに来てね!」ということで、ひとつよろしくお願いします。

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今週のお知らせ:1月16日(月)~22日(日)

1月14日(土)から、ツイン21古本フェアが始まってます。ツイン21古本フェアは21日(土)まで。

僕は、初日に大阪市内の方に出る用事があったので、その帰りに寄ってレイモン・クノー『文体練習』ほか、6冊ばかし買いました。

今週は他に、大阪では大阪古書会館のたにまち月いち古書即売会が、兵庫ではさんちか古書大即売会が始まります。

たにまち月いち古書即売会は、1月20日(金)から22日(日)まで。大阪古書会館にて。

わたくし寸心堂は、こちらに参加してます。

去年も一昨年も、新年最初のたにまち月いちは、阪神歳末古書ノ市から戻ってきた荷物でふわふわっとやっていた気がするけれど、今年はけっこうちゃんと、新しい本を用意してます。少なく見積もっても段ボール10杯分は、すでに用意してあります。あと1日か2日の追い込みで、もうちょっと頑張ります。

それでも足りない分は、阪神帰りの荷物で埋めることにはなりますが。

レジ当番は多分土曜日です。初日もお昼くらいまで居ると思います。日曜は、京都の文フリに行きたいなぁと思ってますが、これは行けるかどうか。

というわけで、たにまち月いち古書即売会、よろしくお願いします。

さんちか古書大即売会は、1月19日(木)から24日(火)まで。神戸・三宮さんちか3番街さんちかホールにて。

阪神でご一緒したおくださん、倉地さん、サンコウさんなどがこちらに出られてます。

さんちかの即売会、古本屋になる前はちょくちょく行っていたのに、古本屋になってからぜんぜん行けてない。去年も、行きたいなぁ行けるかなぁと言って、結局行けませんでした、ということをブログに書いてた。

今年もちょっと行けなさそうなので、皆さん僕の代わりにどんどん行ってくださいませ。

たにまち月いち古書即売会

  • 日程:1月20日(金)~22日(日)
  • 時間:10時~18時(最終日は16時まで)
  • 場所:大阪古書会館

さんちか古書大即売会

  • 日程:1月19日(木)~24日(火)
  • 時間:10時~19時半(最終日は18時まで)
  • 場所:神戸・三宮さんちか3番街 さんちかホール

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